ニューヨークバック時代にヴィンセント バック自身が使用していた同モデルです。
晩年は1 1/4Cを愛用していたようです。
このマウスピースはニューヨークバックの中でも初期の1920〜40年の製造のようです。
数字の刻印の大きなタイプです。
バック自身が愛用したのも納得できるクオリティーの高いマウスピースです。
サイズは現行バックと同じ6くらいです。
リムはフラットで厚めです。
口あたりがソフトなリムです。
カップは深めでAとBの中間くらいで深めです。
スロートは#27(3.66mm)よりやや太めです。
バックボアはワーバートン9〜10の中間くらいです。
音はこのサイズのマウスピースとは思えないくらい太い暖かな音がします。
ローからハイまで均一なサウンドコントロールが楽です。





5A

ニューヨークバックの初期に製造されたマウスピースです。
5Aの型番が大きく刻印されています。
このサイズのマウスピースはニューヨークバックの中でもレアです。
サイズは現行バック3〜5の中間くらいです。
リムはフラットでわずかに厚めです。
リム内側エッジははっきりしています。
カップは現行バックAよりやや浅めでA〜Bの中間くらいです。
スロートは♯28(3.57mm)です。
バックボアはワーバートン9くらいです。
シャンクの先が5mmくらいやや斜めにカットされています。
やや明るめでバックらしい芯のある豊かな倍音を持ったウォームな響きがします。





10B

1924〜53年にニューヨークでヴィンセント バック自身により製作されマウスピースです。
10Bの刻印が小さめでニューヨークバックでも後期の製作です。
サイズは現行バック10-1/2くらいです。
リムはフラットでやや厚めです。
口あたりがソフトなデザインです。
カップはCより深めのバックBです。
スロートは#27(3.66mm)よりやや太めです。
バックボアはワーバートン8くらいです。
ニューヨークバック独特のやや明るめでレスポンスの良さと深めのカップのバランスがすばらしいです。
吹きやすさと太い暖かい音色が特徴です。
リム、ボディー、シャンクに細かいスリキズがあります。
シャンクの先にキズがあります。





17C2

クリフォードブラウンが愛用していた型番17C1と同時期に開発された17C2です。
17C2をベースにFL用にカスタマイズしたモデルです。
ヤマハ、バックなどに合うアメリカンシャンクです。
サイズは現行バック12くらいです。
リムはフラットでかなり厚めです。
リムの頂点が内側にあるワイドクッション形状です。
リム外側エッジがラウンドでアンカーグリップリムになっています。
カップは浅く細めのVカップです。
スロートは#20(4.09mm)くらいです。
やや明るめでトランペットとフリューゲルの中間くらいの響きです。
ソロプレイヤーにおすすめです。





12C

ニューヨークバック後期に製造されたマウスピースです。
CORPの後に「.,」がありマウントバーノンの初期刻印と同じです。
サイズは現行バック12よりやや小さめです。
リムはフラットで厚めです。
リム内側エッジははっきりしています。
カップはCよりやや深めです。
スロートは#27(3.66mm)です。
やや明るめのふくよかな音でレスポンスが良いです。
小さめのサイズですが深めのカップでバランスが良いです。





11C

1924〜53年にニューヨークでヴィンセント バック自身により製作されマウスピースです。
このマウスピースは11Cの刻印も大きめでニューヨークバックでも初期の製作です。
サイズは現行バック10-1/2〜12の中間くらいです。
リム頂点がやや内側にありリム外側エッジがラウンドのクッションリム状です。
やや厚めで口あたりがよいデザインです。
クリフォードブラウンが愛用した17C1に近いリム形状です。
カップはCより深めでバックB〜Cの中間です。
スロートは#27(3.66mm)よりやや太めです。
バックボアはワーバートン8〜9の中間くらいです。
ニッケルメッキのようなニューヨークバック独特のオリジナルメッキです。
とても濃密でディープな響きとニューヨークバック独特のやや明るめのブレンドが絶妙です。
レスポンスもよくバランスの良いマウスピースです。





17C1

クリフォードブラウンが愛用していた同型番の17C1です。
ハイノート、持久力を保つために1940〜50年代に開発されたモデルです。
当時のカタログにも掲載されていないレアなモデルです。
ニューヨークバック初期のニッケルメッキのようなオリジナルメッキです。
型番17ですがワイドリムのため極端に小さく感じないデザインとなっています。
内径サイズは現行バック12くらいです。
リムはフラットでワイドクッションリムでかなり厚めです。
リムの頂点が内側にありリム外側エッジにむかってなだらかになっています。
かなりハードプレスしても痛くなりにくくバテにくいデザインです。
カップはバックEくらいです。
スロートは#27(3.66mm)くらいです。
バックボアはワーバートン10くらいでやや太めです。
音は奥行のあるブリリアントでふくよかに響きます。
ロートーンはエアリーなサブノートでハイノートはブリリアントで張りのある音がします。
クリフォードブラウンが愛用していた理由が体感できるマウスピースです。
このマウスピースにブレッシングスーパーアーティストモデルで完璧な組合せとなります。
カップ内、リム、シャンクにメッキ荒れがあります。
リム、ボディーにキズ、へこみ、シャンクの先にキズ、1〜2mmくらいのひびがあります。





1Cリム D−J.M.S

ニューヨークバックの中でもレアなカスタムモデルです。
2ピースモデルでリムは旧ロゴのバック1Cと同じくらいです。
ボディーにVINCENT BACH CORP.,NEW YORK D J.M.Sと刻印があります。
リムはセミフラットで厚みはノーマルです。
カップはDと刻印がありますが実際はバックCよりわずかに深めです。
スロートは#26(3、73mm)くらいです。
全長が82.8mmでノーマルなバックより4.2mmくらい短いです。
バックボアはワーバートン10くらいで太めです。
J.M.S.はシグネチャーモデルのようですが詳細は不明です。
驚くほど音が濃密でとても豊かで広がりのある音がします。
ノーマルのバックとは別物で繊細で上品なつくりのよいマウスピースです。
世界中のプレイヤーがこのあたりマウスピースを入手するとなかなか手放さない理由がよくわかります。





7C

1924〜53年にニューヨークでバック自身により製作されマウスピースです。
このマウスピースは7Cの刻印も大きめでニューヨークバックでも初期の製作です。
サイズは現行バック10-1/2Cくらいです。
カップはCより深めでバックB〜Cの中間くらいです。
スロートは#27(3.66mm)くらいです。
バックボアはワーバートン9くらいです。
実際に吹いてみるとニューヨークバックらしいやや明るめでふくよかで豊かな響きがします。
再メッキでボディーが研削されています。





8C

サイズは現行バック101/2〜12の中間くらいです。
リムはセミフラットでやや厚めです。
リムのやや内側に頂点があり、わずかにクッションリムのようになっています。
カップは現行バックCと同じくらいです。
後から加工されたのかは不明ですが全長がノーマルのバックに比べて
8mmくらい短いです。
ニューヨークバック時代のマウスピースには短くしているものが良く見られます。
その影響かやや明るめのニューヨークバック独特の響きに加え、とてもファットでウォームな音がします。